Zeke Deuxが活動の狼煙をあげてから、11月11日で丸3年を迎えた。彼らは11月10日(日)に目黒鹿鳴館で、Zeke Deux 3rd Anniversary ONE MAN「Zeke Restoration-Code Number:03-」公演を行った。この日は、日頃支えてもらっているファンたちや、Zeke Deuxに興味を示している人たちにも気軽に接してもらおうと”無料”で実施。会場は、ギュウギュウの満員状態だ。熱気と熱狂に包まれた当日の模様を、ここに伝えたい。
荘厳かつ厳かな音色が流れだす。その音は、これから儀式の始まりを告げるかのよう。一気にSEが激しさを増すのを合図に、場内中から熱いクラップが響きだす。メンバーの登場に合わせて高鳴る歓声。今宵の場内は、始まる前からとても熱い盛り上がりを見せている。
ここから新たな始まりを告げるように、Zeke Deuxとして最初に作りあげた『Zero』からライブは幕開けた。とても勇壮な、触れた人たちの感情を一気にMAXまで上げてゆく楽曲だ。Kakeruは台の上に足を乗せて高らかに歌いながらも、気持ちは、今にも客席へ飛び込まんばかりの姿を見せていた。それは、HarukaやSatsukiも同じ、2本のギター陣も、互いに胸が高鳴る音を重ねあい、舞台の最前まで踊り出て観客たちへ挑みかかっていた。楽曲は、巧みに転調を繰り返し、壮大なドラマを描きながら、この場から現実を消し去ってゆく。
「Zeke Deuxだー!!」の声。この勢いをさらに増すように、彼らは超高速激烈ナンバーの『Forbidden Chain』を突きつけた。凄まじい勢いで爆走する演奏の上で、Kakeruが身体を前のめりにし、観客たちへ挑みかかる。場内中の観客たちも高く手を振り上げ、その場で大きく飛び跳ね、舞台の上から熱情した音を叩きつけるメンバーらへ、同じように熱情した気持ちをぶつけていた。Kakeruの「飛べ!飛べ!飛べ!!」の声に合わせ、無邪気に飛び跳ねる観客たち。2人のギタリストが背中を合わせでキターをハモる姿や、Mayaのスラップしたベースが響く姿に向け、たくさんの手が捧げられていた様も印象深く瞼に焼きついた。
黄色い声と野太い声が混じり合う場内。「今日はたくさんの感謝の気持ちと、たくさんの誓いをこの場所に刻みたいと思います。生きる証を残していってくれ!!」とKakeruが、今の思いを伝えてきた。
この世界を、そしてこの空間をカオスな世界へ染め上げるように、Zeke Deuxは重低音響き渡る豪快かつ攻めた轟音ナンバーの『Catastrophe』を突きつけた。身体を奮わせる野太い音が鳴り響くたびに、気持ちが熱く揺さぶられる。Kakeruは、低音域を魅力にした歌声を軸に、ときに高音域の甘い声を加えながら、観客たらの身体と心を揺さぶり続けていた。途中、ミドルな表情に転調してスリリングにせまれば、ふたたび速度を上げ、観客たちの気持ちへずっと痛心地好い刺激を与える。Kakeruの「抱きしめて 抱きしめて」と歌う声に触れるたび、茨のついた両手でギュッと抱きしめられているような痛い恍惚も覚えていた。だから、フロア中から熱い声が飛び交い続けていた。
重厚なヴァイオリンの音色が、気持ちを熱く掻き立てる。そこへ絡む攻撃的なギターの音。Kakeruの「行けー!!」の声を合図に『Crimson Moon』が飛びだした。地を這うような重く猛々しい音が無数の矢となって身体を貫く。雄々しい歌声で先導するように、演奏を指揮するKakeruが熱情した世界へ観客たちを連れてゆく。そんなドラマを覚えてしまうほど重厚な、でも胸を躍らせる物語をZeke Deuxはこの場に作りだしていた。楽曲が凄まじい速度で駆けだすのに合わせ、場内中の人たちが思いきりヘドバンをすれば、ミドルかつ重厚な表情へ変化するたび手の花を大きく咲かせていた。
止まることなくどころか、再び激しさを増すように。いや、この時点では一番過激さと速度をMAXにした『Unwavering Soul』をZeke Deuxは突きつけた。彼らはこの場にいた仲間たちに戦いを挑んでいた。3周年の祝いだからと、温い姿などけっして見せることはない。むしろ、祝いごとだからこそ、いつも以上に研ぎ澄ました姿で、これまで体験したことのない衝撃を観客たちに与えていた。だから観客たちも、両手で大きく花を咲かせ、右手を高く掲げ、その場で高く高く飛び跳ね続けていた。
MCのたびに、場内中から上がる声が増している??それくらい、触れた人たちの感情を熱くしたライブを、この日の彼らは見せていた。
「大切な思いを込めて」。厳かに、でも胸の内を優しく撫でるような絃楽の音色が響きだした。Zeke Deuxが届けたのは、美しいバラードの『Feel like the Wind』。体感的な衝撃を与えるばかりがZeke Deuxの姿ではない。美メロなメロディーメイカーでもあるからこそ、その本質を、美しい音の輪郭も見えるバラートを通し、旋律のナイフで一人一人の心に忘れられない嬉しい傷を刻んでいった。この曲に限らず、Kakeruの書く歌詞には、彼自身の経験を通した仲間たちへの思いが多く綴られている。この歌でも、胸に響く歌声や言葉の一つ一つに触れ、気持ちを濡らしていた人たちも多かっただろうか。
美しくも儚い音色が場内に流れだす。「届きますように」の言葉を合図に歌い奏でたのが、胸を揺さぶる美メロも印象的な『Catharsis』。この曲では、ドラムのMajyu以外の4人が舞台の最前に並び、美しい旋律と、心を揺さぶるエモくメロい歌を届けていた。一つ一つの旋律が、心の中にある涙の琴線を次々と鳴らしてゆく。だから観客たちも、彼らの演奏に身を任せ、5人が届ける温かい思いをしっかりと受け止めていた。この曲でもKakeruは、支えてくれる仲間たちへの感謝や愛しい思い、その声が自分たちを前へと突き動かす力になっていることを、愛しさをたっぷりに伝えていた。
胸をそっと刺激するもの悲しい音色が流れだす。『Ideal labyrinth』でもKakeruの歌声が、この楽曲を描きだすコンダクターとなり、何時しかこの場にもの悲しくも麗々とした世界を描きだしていた。言葉のひと言ひと言を紡ぐように歌う姿から目を離せない。何時しか、彼らが描きだす長大かつ不思議な調べが織りなすドラマへ身を浸し、ただただ心を揺らしていた。
メンバーたちが一度ステージの外へ。一人舞台に残ったKakeruは、流れだした美しいピアノの旋律に乗せて、『L』を独唱。彼自身をつねに支えてくれる愛しい仲間たちへの思いを、Kakeruは歌の手紙にして、改めて一人一人の心へ伝えていた。彼が強く思いを込めて届けた歌の手紙が、観客たちの心の中へどんな風に響いただろうか。この曲の間中、誰もがKakeruの姿をジッと見つめ、心の両手でギュッと抱きしめていた。
荘厳なSEが流れだす。ふたたびメンバーたちがステージへ。後半戦を告げるライブは、激烈かつエッジ鋭い攻撃的な音が雪崩の如く襲いかかる『Alive』からスタート。激しく荒ぶるその姿こそがZeke Deuxが生きる証だと示すように、彼らは終始挑みかからんばかりの攻撃的な姿勢を見せ、観客たちからふたたび理性や現実を奪い去る。ときにKakeruとSatsukiが、HarukaとMayaが寄り添い演奏する様も見せながら、Majyuがその姿を手数の多い攻撃的なドラムで煽り、この場に生きているからこそ感じられる興奮と恍惚を観客たちに与えていった。熱情したこの空間を先導してゆくKakeruの姿も神々しく見えていた。
さらに重厚さと攻撃性を増すように、Zeke Deuxは黒い轟音を撒き散らす『Fata Morgana』を突きつけた。台の上に立ち、振りを交えて歌い叫ぶKakeru。彼の煽りに向けて、場内中から無数の拳が突き上がる。間奏ではHarukaが前に出て攻撃的かつ印象深い旋律を演奏。この曲では、Kakeruと観客たちが荒ぶる感情と感情を交わしあう様を作りあげていた。
次に奏でたのが、Zeke Deux流のクリスマスソングとして作った新曲の『Gift』。ひと足早いクリスマスプレゼントとKakeruは口にしていたが、こんなにも開放的で晴れた明るいロックチューンを届けてくるとは、まさに嬉しい予想外のプレゼントをもらえた気分だ。気持ちを解き放つように高らかに歌うKakeruに向け、初見にも関わらず、大勢の観客たちが高く掲げた両手をリズムに合わせて大きく揺らしていた。間奏のHarukaとSatsukiのソロパートで、手の花をしっかり咲かせるところも流石だ。とても親しみやすいポップチューンだ。この手の曲をZeke Deuxに持ってきた姿に触れ、ますますバンドの表現の間口が広がったことを実感していた。
今度は美しさを刻むように,Zeke Deuxは『Sapphire』でその世界を蒼く染めた。蒼く染まるそのステージで、Kakeruはとてもおおらかに、朗々と歌いあげていた。美しく、時に激しい演奏を、大きな懐を持った歌声で包みこむような感覚だ。Majyuの叩き出すタイトなリズムに合わせ、時に首を縦に振りながらベースを弾いていたMayaの姿も印象的だった。何時しか雄々しく歌いあげるKakeruの側に、いつの間にか3人の竿隊が寄り添っていた。
ライブも終盤へ。「乱れようぜ」の言葉を合図に、重く跳ねた演奏が飛びだした。Zeke Deuxはヘヴィでジャジーなシャッフルナンバーの『Succubus』を歌い奏で、重厚に跳ねる音の上で、大勢の観客たちの身体を大きく横に揺らしていた。途中には、メンバーのソロ回しも登場。クールな表情を見せるパートでは冴えたダンディーな姿も見せつつ、サビでは熱情した気持ちに染め上げ、観客たちの身体をしっかりと躍らせていった。
荘厳シンフォニックな音色が流れだす。破壊的な衝動を満載したMajyuのドラムが吠えるのを合図に、『Killing Me Softly』を通して、メンバー全員が攻撃的かつ破壊衝動を持った演奏を突きつけた。Majyuのブラストビートが炸裂した頃には、場内中の人たちが思いきりヘドバンに興じていた。エモメロな歌に合わせて大きく手の花を咲かせながら、凄まじい音をマシンガンのように叩きつける演奏時には、フロア中で長い髪の毛が乱れ舞う様が広がっていた。激しいMajyuの演奏に合わせ、首を縦に大きく振って演奏をするMaya。2人のギター陣とKakeruが寄り添って煽る場面も登場。この曲では終始、頭を振り乱す光景が生まれていた。
Zeke Deuxは最後に、攻撃的な旋律と激しく爆走する音が絡み合う上で、激エモでメロディアスに歌いあげる『Awake』を突きつけた。印象深いリフメロを刻む演奏陣、胸を躍らせる、耳をつかむ美メロな歌を届けるKakeru。激しい中にも歌心を持った歌や演奏を構築してゆく、それこそがZeke Deuxの真骨頂。途中には、逆ダイする様も誕生。この日は身動きするのも大変な環境とはいえ、観客たちも逆ダイやヘドバン、手を揺らし、高ぶる気持ちを5人に届けていた。
アンコールは、触れた人たちの感情をエモく上げる歌系ナンバーの『Victim』から。軽快に、でもザクザクとした歪む音を響かせる演奏の上で、Kakeruが酔いしれるように、胸を躍らせる歌を観客たち一人一人の胸に注ぎ込んでいった。この曲では、メロディーメイカーなZeke Deuxの魅力を発揮。歌謡メロな雰囲気を持った歌で、心を嬉しく揺さぶってくれたのも嬉しい。
「この景色を見るために頑張ってきたんだなと思います。またここから次に向かって進んでいくので、みんなついてこれるかっ!!」と叫ぶKakeru。これからも共に絶叫と興奮、高揚と熱狂の景色を作り続けようと誓いあうように、Zeke Deuxは『Advance to Glory』を歌い轟かせ、満員の観客たちと熱狂という握手や抱擁を交わしていた。荒ぶるリズムに合わせて、大きく縦に首を振る観客たちの姿も印象的だ。この曲のサビが、とても気持ちを高ぶらせ、天高く羽ばたきたい気持ちに導いてゆく。まさに、新たな地平に向かって進撃の狼煙を上げるに相応しい楽曲だ。夢や理想を歌うKakeruの声に向け、誰もが高く掲げた両手を伸ばし、その両手を翼にし、心の中の地平を自由に飛び交っていた。
最後にZeke Deuxは、メロディアスなハードロックナンバーの『Lux en Athena』を突きつけ、高らかに進軍の歌を響かせていた。胸をくすぐるキャッチーな歌と、気持ちを熱く騒がせる高揚感を持った演奏だ。共に進撃の旗を振り続けたい。気持ちが熱く沸き立つこの曲を高く掲げ、これからも彼らと一緒に未来へ歩み続けていたい。とにかく、熱くならずにいれなかったんだ!!!!!
熱狂止まない声を受け、5人が三度ステージへ。「理想が変わっていったり、叶わないことも出てくるけど、この場所かあるから頑張り続けられます」と語ったKakeruの言葉通り、どんな困難にぶち当たろうとも、こうやって自分たちらしくいれるライブという場が、ライブハウスという場所があり続ける限り、いつだっていろんな夢を掲げて歩んでいける。Kakeruは歌っていた、「あなたのいる場所が、帰るべき場所」と。『Place』を聴くたびに、その気持ちを思い出す。Kakeruの歌声をリードに、たくさんの観客たちが、「懐かしい景色が変わるとしても あなたのいるこの場所が帰るべき場所」と声を揃えて何度も何度も歌っていた。この景色を見るたびに、ライブハウスという場所が、Zeke Deuxがいるライブという場が、何時だって安心を覚えて帰ってこれる場所なんだと実感する。だからこそ、これからも『Place』を通して、この思いを彼らと再会するたびに分かち合いたい。
「気合入れていけー!!」の声を進撃の狼煙として叩きつけたのが、『Lucifer』だ。彼らはふたたびこの空間を赤黒い熱気と熱狂の景色に染め上げる。余力を残すのではなく、すべてを出しきってこそZeke Deuxのワンマン公演であることをメンバーも、ここに集まった人たちも理解しているからこそ、後悔のないようにと、舞台の上から次々と降り注ぐ演奏とKakeruの煽る歌に合わせて頭を振り乱し、手にしたタオルを振り、逆ダイし続けていた。メンバーの一人一人が舞台に上がって煽るたびに、逆ダイしてゆく様も続いてゆく。止まることのない逆ダイの景色。途中かちは、上へ上へとジャンプする姿に変化。とにかく全力で暴れ続けていたい。暴れん坊将軍となったKakeruに向かって、大勢の人たちが高く、とにかく高く飛び跳ね、熱情した思いをぶつけ続けていた。いつしかSatsukiまで声を荒らげて煽っていた姿も印象的だった。終盤には、Kakeruと観客たちがタオルや拳を振り回す景色を作りながら、熱くアガっていった。
Zeke Deuxが最後の最後に叩きつけたのが、『Phantom Pain』だ。冒頭からKakeruの突き上げる拳に向けて、ともに拳を突き上げる人や、ヘドバンをする人など、それぞれ思うままの気持ちをぶつけていた。『Phantom Pain』、とても胸を熱く奮い立て、気持ちや身体を躍動させるエモメロな楽曲だ。最後もしっかりとZeke Deuxらしい勇壮な姿を示し、熱狂という言葉が相応しい景色を描きあげ、Zeke Deuxの3周年公演は幕を閉じていった。
最後に嬉しいお知らせを。Zeke Deuxの新たな展開として、2025年春よりTOUR 「Regeneration of Destiny」公演が決定。ツアーのファイナルは、2025年8月28日にclub asiaでワンマン公演として行うことも発表になった。これからのZeke Deuxの活動も、ぜひ追いかけ続けてもらいたい。
PHOTO: Λ.kwsk(@a_kwsk_1985)
TEXT:長澤智典
インフォメーション
【重大発表】
2025年春より
TOUR [Regeneration of Destiny]決定!!
TOUR FINAL ONE MAN
2025年8月28日club asia決定!!
SNS
セットリスト
『Zero』
『Forbidden Chain』
『Catastrophe』
『Crimson Moon』
『Unwavering Soul』
『Feel like the Wind』
『Catharsis』
『Ideal labyrinth』
『L』(カケルソロVer)
『Alive』
『Fata Morgana』
『Gift』
『Sapphire』
『Succubus』
『Killing Me Softly』
『Awake』
-ENCORE-
『Victim』
『Advance to Glory』
『Lux en Athena』
-W ENCORE-
『Place』
『Lucifer』
『Phantom Pain』
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