2023.03.24
H.U.G＠渋谷Spotify O-WEST
H.U.G First Showcase One-Man Live「SHOWCASE01」
「H、U、G！ H、U、G！」
会場に響き渡るコールと大きな歓声に出迎えられ、ステージに5人が現れた。ryo（Vo）の叫びとともに轟音が放たれる。グループ名を冠した「HUG」でライブはスタート。H.U.Gの初ワンマンライブとなる『H.U.G First Showcase ONE-MAN Live「SHOWCASE01」』が3月24日、渋谷・Spotify O-EASTで開催された。
伸びやかな歌声とエッジィに攻めるシャウトを巧みに使い分けるryo、低めにギターを構え、分厚いディストーションサウンドでH.U.Gの音世界を構築していくKaryu（Gt）、光るスティックでアグレッシブにパッドを叩きながら楽曲を彩っていく横山和俊（Manipulator, Key, Per）。そして、どっしりとしたリズムを繰り出していくTAKEO（Dr/Angelo, ex.PIERROT）と、堅実的なプレイでボトムを支えるNAOKI（B/KANTASISTA, ex.Kagrra,）。2人はサポートメンバーとは思えないほどバンドに馴染んでおり、一体感を生み出していく。この5人でのバンド編成でのライブは、昨年12月以来まだ２回目。そうは思えないほど息のあったグルーヴが猛り狂う。
どこか異国情緒漂うインダストリアルなナンバー「DON’T DOUBT」。ステージ後方のスクリーンに映し出されるノイジーな映像とともに、ソリッドな演奏で攻め立てる。新曲「BLOOD PIN」はアッパーなパートと美麗メロディが交差していくナンバーだ。
5人がこのライブ空間を存分に楽しんでいることは演奏している姿、表情からありありとわかる。声出し可能となってきた昨今の情勢で初ワンマンを迎えられる喜びをryoが口にする場面もあったが、それはフロアのオーディエンスも同じだ。精一杯の声援でステージから放たれる音に応えていく。
「聞かせて、声聞かせて、もっと、もっとぉ！」
湧き上がる歓声を愛おしいように煽ったryoは、「まだ1年も経ってないこの数ヶ月、かなり突っ走ってきましたけど、みなさんのおかげでショーケースというお試しのサイズ感ではありますが、全力のパワーでワンマンライブを見せて行きますので、どうぞ力を貸してください！」と続けた。
重心低めのアンサンブルに合わさる歌声。低音から高音、そしてファルセット、さらには獣のような咆哮と、巧みに己の声を使い分けていくryoが狂う「熾-OKI-」に始まり、デジタルビートに重なる重音が蠢く「Marry of the blood」、無機的なリズムにグラマラスなメロディが踊るダンスチューン「Flash dancers」へ。このセクションは「H.U.Gになるきっかけを産んだ3曲」だとryo。デジタルのリズムが生演奏と融合する様は、Karyuセッションバンドとして始まったH.U.Gの変遷そのものを表す3曲なのだ。
横山による新曲「BUTTERFLY」は、現代音楽的なサウンドコラージュが不可思議な世界観を造っていく先鋭的な曲だ。「LOVE THAT NEVER ENDS」は昨年12月に初披露となった、昨今の世界情勢を踏まえながら“逃げ場がない人のための愛の歌”。ゆったりと躍動していくメロディとメッセージ性のある歌詞。バックスクリーンに流れるどこか遠い国の愛を表す映像が印象的である。そうした、ベクトルは異なれど、H.U.Gの可能性を予感させる2曲が続けて演奏された。
「君たちの心に届きますように」と、「HEART」で攻め立てていく。間奏では「みんな、拳をちょうだい」、ryoがそう求めると、Karyuと同じ赤いリストバンドをした無数の右腕がフロアいっぱいに上がった。
「せっかく声も出せて、楽しみ方が増えてきたから」ということで、新たな楽しみ方を提案した新曲「WHO IS THE ROMEO」。オーディエンスが間奏でしゃがみ込み、カウントから一斉にジャンプする。間髪入れずにスペーシーなサウンドと解放的なメロディが駆け抜ける「DROP」へと突入。フロアの熱は最高潮に達した。
本編ラストに贈られたのは新曲「SEEDS」。「幾つになっても、どんな状況になっても自分が描いた夢を決して諦めないでいると、その想いは芽吹いて花になる」というryoの紹介で始まった同曲。ピアノの調べと優美な歌い出しに始まり、激しさを帯びたサウンドへ変わっていき強さを纏っていく……そんな楽曲展開はまさに、信じ貫いていく強い心を教えてくれるような曲だった。
アンコールを求める「H、U、G！」コールに迎えながら再びステージに現れた5人。
「本編で出し切ったんですけど、まだまだ僕らももう数曲やりたい」という横山の言葉から、「さっき1回体験したからもっと騒げる、みたいにならないかなぁー！？」とryoが煽り、先ほど一斉にしゃがんでジャンプした「WHO IS THE ROMEO」、キャッチーでノリのよい「HEART」を再び披露。本編よりもヒートアップした演奏にいざなわれ、オーディエンスの熱量もさらに加速する。頭を振り、腕をあげて、歌う。ステージの5人に全力で応えていく。
「できる限りこの5人でやっていく」という横山の言葉から、1人ひとりが言葉を発していく。「最高！ H.U.G最高！ 久しぶりにみんなの声を浴びて最高！」とTAKEO。NAOKIは「H.U.Gっていいよね！ 先輩たちいいよね！」と興奮冷めやらぬ様子で語り、グッズの話で場を和ませる。あらためて横山は昨年の2月18日（バースデー配信公演）にKaryuを誘ったが、こんな展開になるとは思っていなかったと振り返った。そんな横山に「最高なギタリスト」と紹介されたKaryuは「去年の思い返してみると、約1年でよくここまで来られたなと」と満足げな表情で口を開き、「5人になって……サポートですけど、僕はメンバーと思ってやってるんで。結構しんどかったんですけど、こっからもっとやっていくつもりなんで」と約束し、大きなあたたかい拍手が巻き起こる。
「“First“があるということは次回があるということだね」と、ryoが全国ツアーの発表をするとさらに大きな拍手と歓喜の歓声が巻き起こった。興奮のあまり、Karyuが客席側にマイクスタンドを倒してしまうほどの熱に包まれると、ラストナンバーは再び新曲「SEEDS」を演奏。「その想いは芽吹いて花になる」というryoの言葉通り、H.U.Gの想いが花になることを祈って、彼らのこの先を見逃さないようにしたい。『H.U.G TOUR 2023 LOVE THAT NEVER ENDS』楽曲名と同じツアータイトル。日本全国、彼らは愛を持って“H.U.G”しにいく。
【セットリスト】
- HUG
- DON’T DOUBT
- BLOOD PIN
- 熾-OKI-
- Marry of the blood
- Flash dancers
- BUTTERFLY
- LOVE THAT NEVER ENDS
- HEART
- WHO IS THE ROMEO
- DROP
- SEEDS
En
- WHO IS THE ROMEO
- HEART
- SEEDS
[文・冬将軍／写真・岡本麻衣(ODD JOB LTD.) ]
【配信情報】
H.U.G First Showcase One-Man Live「SHOWCASE01」
3月24日（金）Spotify O-WEST
アーカイブ配信中！
https://streaming.zaiko.io/item/355188
※日本語・英語・韓国語・簡体字・繁体字に対応
【H.U.G 1st TOUR 開催決定！】
H.U.G TOUR 2023 LOVE THAT NEVER ENDS
6月10日（土）西川口 Hearts
6月17日（土）福岡 DRUM Be 1
6月18日（日）山口 LIVE rise SHUNAN
6月23日（金）名古屋 E.L.L.
6月30日（金）OSAKA MUSE
TOUR FINAL
7月7日（金）白金高輪 SELENE b2
＜サポートメンバー＞
Bass：NAOKI（FANTASISTA、ex.Kagrra）
Drums：TAKEO（Angelo、ex.PIERROT）
＜チケット先行予約受付中！＞
【Karyu Official Fan Club「K’RONE」VIP/ベーシック 会員先行(抽選)】
受付期間：3月25日(土)12:00～4月9日(日)23:59
https://karyu-official.com/contents/625511
【H.U.Gオフィシャル先行(抽選)】
受付期間：3月25日(土)12:00～4月9日(日)23:59
https://eplus.jp/hugtour2023/
＜一般発売（先着）＞4月22日（土）10:00～
詳細はこちら
https://hug.bitfan.id/contents/92026
H.U.G OFFICIAL SITE
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H.U.G OFFICIAL YouTube
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【H.U.G】
Angelo、ex.D’ESPAIRSRAYのKaryuが新しく立ち上げたバンド H.U.G。
ヴォーカルにryo（HOLLOWGRAM）、マニピュレイターに横山和俊という編成で、
9月8日にSpotify O-EASTで行われたイベント【DEVIL’S PARTY 2022 vol.2】で初ステージを披露した。
サポートメンバーとして加わるのは
NAOKI（FANTASISTA /ex.Kagrra,)とTAKEO（PIERROT/Angelo）の2人。
NAOKIとKaryuはKagrra,時代からの友人。Karyuにとって「ずっと一緒にやりたかったベーシスト」。
そしてTAKEOは同じAngeloメンバーとして絆の深いドラマーである。
