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22年6月20日[DEVIL’S PARTY 2022]@渋谷Spotify O-EASTライブレポート

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 時所諸縁あっての祝宴は、ことさらの慶びをそこに生み出したのだった。さかのぼること、2011年6月にD’ESPAIRSRAYが惜しまれながらも解散となってから11年…このたび渋谷Spotify O-EASTにて開催された[DEVIL’S PARTY 2022]は、D’ESPAIRSRAYのメンバーであるKaryu(Angelo)、ZERO(THE MICRO HEAD 4N’S/OFIAM)、TSUKASA(THE MICRO HEAD 4N’S)によるLuv PARADE が、あらたにオーガナイズするイベントとして、もともと彼らと交流のある有志たちが集う貴重な場となったのである。

 そんな今宵の一番手としてステージ上へと登場したのは、THE MICRO HEAD 4N’Sのkazuya、SHUN.、ZEROが2021年に始動させたスピンオフプロジェクト・OFIAM。
ちなみにドラマー・TSUKASAもサポートのかたちで参加しOFIAM(+TSUKASA)という表記となっていたのであるが、映像を用いた視覚演出もフルに駆使しつつ、kazuyaがギター&ヴォーカル、ZEROがベース&ヴォーカルとして歌うスタイルはもちろんのこと、曲によってはSHUN.によるポエトリーリーディングやアジテーション的ヴォイスが同期音源として流されたりという、その自由自在にして斬新なスタイルは実に近未来的なことしきり。
 最新シングル曲である「時」などをはじめとして、大胆かつ秀逸なステージングを続々と展開してくれた彼らの姿は、良い意味でいわゆるロックバンドの範疇を逸脱した革新的プロジェクトとしての存在感を強く放っていたと言っていい。
「OFIAMというのは、去年THE MICRO HEAD 4N’Sにヴォーカリストがいない中でも出来る活動をしていこうということで始めたもので、ここまでにいろんな模索や実検をやって来ているプロジェクトです。ほんとに何でもアリだと思っているので、次の曲に関しては観ての通りギターを持ってやります。そして、今夜はこの日限りの特別な一曲をご用意いたしました。個人的にはね、この曲を歌ってもらいたいヤツがひとりいるんですけど。今それはかなわない状況なので、かたちは変わってしまいますがここでは俺たちがこの曲を届けます。…ディスパが解散して11年、俺としては解散ライヴが出来なかったことがずっと心の中に残っていて、何時かみんなに恩返しが出来たら良いなとずっと思ってきたんですが、今日こうしてディスパの匂いが少しするイベントを開催することによって、少しでもみんなに気持ちを返せたら良いなと思ってます。それでは、今日ここに俺たちの生きた証を残したいと思います。聴いてください「KAMIKAZE」」(ZERO)
 言わずもがな、これはD’ESPAIRSRAYの楽曲。彼らがアメリカでのイベントツアー[Taste of Chaos 2008]に参加することが決まった際、日本のバンドとしてのアイデンテティを集約すべく制作した曲であり、詞を書いたヴォーカリスト・HIZUMIは当時のインタビューで以下のようなことを言っていたことも今回あらためて思い出した。
「結局は死んじゃったら全てが終わりなわけだし、人間はそれまでに何を残せるかっていうのが大事だなと思ったんで。もっと簡単に言うと、これは常に現状に満足してちゃいかんよな!っていう詞です」
 故に、この曲の中では〈だから生きた意味を残したい〉というフレーズが繰り返されるのだが、あの11年前の解散劇を経て今回ZEROの歌った「KAMIKAZE」を聴き、今になってことさらに感慨深く響いてきたのは〈きっと巡り遭うはず〉という一節にほかならない。このたびは時所諸縁あっての巡り遭いが再び実現したからこそ、この[DEVIL’S PARTY 2022]が開催へと至ったことは間違いないはずなのだ。
 かくして、OFIAMはこの夜のイベントの意義深さと意味深さというものをまざまざと知らしめてくれることになったのではなかろうか。なお、OFIAMは8月28日に代官山 SPACE ODDにて1st Anniversary公演が決定しているそうなのだが、なんとこの日は終演後に舞台上の大画面にTHE MICRO HEAD 4N’S本体についての今後に向けた告知もなされることに。ここでは“4th GENERATION 2022.10.19 SHIBUYA WWW X”の文字列と“HELLO MYCLONE”というファンへのメッセージが伝えられたのみではあるものの、マイフォ第4期始動の知らせは喜ばしい限り。

  さて。興奮さめやらぬうちに次いでの登場となったのは、Karyu率いるその名もKaryu Session BANDだ。あまりに直截過ぎるネーミングとは裏腹に、ヴォーカリスト・ryo(HOLLOWGRAM)とマニピュレーター・横山和俊がKaryuと共に織りなす音楽世界は、むしろネジれや歪さに満ちたアヴァンギャルドな質感にあふれており、セッションというラフな語感からは想像出来ないほどにコアで濃密なサウンドをオーディエンスへとぶつけてくれていた印象が強い。 
 初ステージでの新曲として「HUG」がドロップされたあとには、かつてD’espairsRayで使うSEとして横山和俊が作ったというトラックにKaryuがギターアレンジをくわえ、そこにryoが詞とメロディをのせたという「熾」が披露されたり、D’ESPAIRSRAYの原曲を横山和俊がリミックスし、Karyuがあらたにギターアレンジを施したという「Marry of the blood」も演奏されたせいか、初見の方ばかりであったはずの観客フロアがおおいに沸き立っていたところにKaryu Session BANDのポテンシャルを感じたのは何も筆者だけではないはず。
「Karyuくんから「新しくやりたいことがめっちゃあるんですよ」という話をもらって、本当だったら2月に1回やる話が出ていたんだけど、その時は都合がつかなかったので今日はリベンジをしに来ました!」(ryo)
 なんでも、2月に横山和俊のバースデー・配信イベントがあったそうで、そこにKaryuが出演した時に本当だったらryoも合流するはずだったのだとか。これまた時所諸縁がようやく整い、このたび3者でのセッションが具現化したということらしい。
「そういえば、なんで新曲の「HUG」を作ることになったんだっけ?その理由はぜひKaryuくんからどうぞ!」(横山和俊)
「…デキちゃった(笑)。音楽をやりたいなっていう気持ち、ライヴをやりたいなっていう気持ちが、そのまま曲になったんでしょうね。これから長く愛される曲になっていくと良いなと思っているので、音源としては売ってませんがライヴで聴いて楽しんでいってください。自分でも今日は初ライヴとは思えないクオリティでやれているので、この先も続いていったら良いなと思ってます。よろしくお願いします!!」(Karyu)
 ということで、今回のライヴでは最後に再びの「HUG」でフロアを再び盛り上げてくれたKaryu Session BAND。まだまだ未知な部分も多いだけに、ここからの進展がとても気になってしょうがない。以後、つぶさに注視していくとしよう。

 ところで、今回のイベントについては基本的にD’ESPAIRSRAYのメンバーが何かしらのかたちで関わっているアーティストばかりが出演していたことになるわけだが、ここぞの3番打者として大事な場面で加勢をしてくれたのはdefspiralの面々。D’ESPAIRSRAYと彼らの縁は、それこそ先ほども少しふれた全米イベントツアー[Taste of Chaos 2008]が本格的な始まりだったことになり、当時は前身バンド・the Underneathとして参加していた彼らと、今や25年選手のMUCC、そしてD’ESPAIRSRAYの3バンドが全43公演にもわたって異国の地で苦楽を共にしたという揺るぎなき歴史がある。
「このイベントが発表になった時、僕らdefspiralはまだ3人でした。しかし、5月に新メンバーのドラマー・和樹が加入して4人になりまして。当初、このイベントはそれぞれのバンドがどこかしらのパートがいない分、お互いに補いあいながらやっていくイベントだよねというような話をみんなでしていましたけれども、ここに来てdefspiralは“揃っちゃいました”(笑)。みなさん、新体制のdefspiralをよろしくお願いします!」(TAKA)
 めでたい。遂に盤石な状態となった彼らは、この夜スケール感たっぷりの「HALO」で説得力を漂わせた音像を描き出してくれただけでなく、ラストの「IRIS」では希望の光を感じさせるような力強いメッセージも発信してくれており、その圧倒的なライヴバンドとしての実力は唯一無二のものとして感じられた。現在は7月26日の東京Spotify O-WEST公演まで続く[TOUR 2022 -ALTER VISION-]の真最中ということでもあるそうなので、ぜひともスケジュールをチェックしたうえで今現在の万全なるdefspiralの姿を皆様にもご確認いただきたい。

 

 気付けば開演からはかれこれ約2時間。大ボリュームの充実したこのイベントを締めくくるべく、最後に登壇することになったのは[DEVIL’S PARTY 2022]の主催者であるLuv PARADE だ。
D’ESPAIRSRAY解散直後の2011年6月に、今はなき高田馬場エリアにて行われたイベントにLuv PARADEとして出演した時と同じく、ゲストヴォーカリストにTAKA(defspiral)を迎えてのライヴは、ブリトニー・スピアーズのカバー「TOXIC」、そしてレディ・ガガのカバー「Poker Face」からスタート。
 各メンバーが先ほどとは全く違う、Luv PARADE仕様の暗黒スタイリングに身を包んでのパフォーマンスは悪魔的なほどのグラマラスな空気感をはらんでいて、ナインインチネイルズのカバー「The Hand That Feeds」も本家とは一線を画していながらも独自の退廃的な香りを放っており、いずれもカバーをしているとは思えないほどに彼ら流なオリジナリティをひしひしと感じた次第だ。
「今日のこのイベントは出演者同士にいろんなつながりがあって、いろんな想いがあって、ここから何か新しいことが起こっていくような始まりを予感させる日でもあります。(中略)このメンバーと一緒にやるのは11年ぶりになりますが、ここで俺たちが出会った頃の曲をやろうと思います。飛ばしていこうぜ!!」(TAKA)
 選ばれていたのは、なんとも懐かしいdefspiralではなくthe Underneathの「BITE THE BULLET」。今これをLuv PARADEの音で聴けたというのは、相当なレア体験になったと断言出来る。そのうえ、この後には[DEVIL’S PARTY]の語源になったとも推測出来るD’ESPAIRSRAYの「DEVILS’ PARADE」が場内へ供され、ここでの〈種族越えて不思議な音を引き連れて〉という歌詞は、まさに[DEVIL’S PARTY]の真髄と主旨を表すことにもなっていたように感じられた。
 さらに言うなら、本編の最後を飾った「MIRROR」(D’ESPAIRSRAY)、アンコールではLuv PARADEの3人だけで奏でられた「DEATH POINT」(D’ESPAIRSRAY)も含めて、何より彼らがこの場でみせた心底楽しそうな笑顔たちが、そのまま今この時代にLuv PARADEが甦った理由を物語っていたものと確信する。
 また、このたびのLuv PARADE復活と[DEVIL’S PARTY 2022]の開催にあたっては、目下リハビリを続けながら喉の回復につとめているD’ESPAIRSRAYのヴォーカリストHIZUMI(現NUL.)がデザイナーとして全面協力をしてくれていたという事実も、ファンにとっては非常に嬉しい逸話であったことと思う。
 し・か・も 実は、今回のイベントでは来たる9月8日に同じくSpotify O-EASTにて[DEVIL’S PARTY 2022 Vol.2]が開催されるといちはやく告知され、そこにはLuv PARADE(ゲストヴォーカル:TAKA)、Karyu Session BAND、、新参加のGOTCHAROCKAにならび、なんと昨今HIZUMIがMASATO(defspiral)、岸利至と共に組んでいるユニット・NUL.として出演することが発表されたのだ。
 時所諸縁あっての[DEVIL’S PARTY]は、どうやら一度きりの奇蹟などではないらしい。つまり〈種族越えて不思議な音を引き連れて〉ここからその輪を大きく拡げていくことになるのであろう。むろん、今から次の祝宴が楽しみで仕方ない。

文:杉江由紀
撮影:堅田ひとみ


DEVIL’S PARTY 2022 Streamingチケットアーカイブ配信中
https://parade.zaiko.io/e/devilsparty0620

チケット販売期間:~2022年6月23日(木)21:00
アーカイブ視聴期間:2022年6月23日(木)23:59まで
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Luv PARADE主催 DEVIL’S PARTY 2022 Vol.2開催決定!!
日程:2022年9月8日(木)
会場:Spotify O-EAST
ACT:
Luv PARADE(ゲストヴォーカル TAKA/defspiral)
Karyu Session BAND
NUL.
GOTCHAROCKA

※その他詳細は後日発表!!
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■Luv PARADEオフィシャルサイト
https://parade.bitfan.id

■Luv PARADEオフィシャルTwitter
https://twitter.com/parade_official

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