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1月5日、Chantyがワンマンライヴ どくせんよく~名古屋編~ ライブレポート

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どくせんよく~名古屋編~

2019年1月5日(土)名古屋Electric Lady Land

文:糸永織菓子

 

1月5日、Chantyがワンマンライヴ どくせんよく~名古屋編~を開催。会場に選んだのはメンバーが“憧れ”と口にしていた名古屋Electric Lady Land。新年1発目の公演が名古屋の地で単発のワンマンライブと、Chantyにとっては少し新しい条件での開催。

この日この場所を選んでくれた会場いっぱいのファンを前に、本編17曲、アンコール6曲、ダブルアンコールで2曲と独占欲丸出しの大ボリュームな公演を繰り広げた。

 

照明が落ち開演を知らせるとともに、暗がりのステージからピアノの音色が流れてゆく。

そのSEを背に薄暗く光るライトに照らされ、Vo.芥が登場し1曲目には「貴方だけを壊して飾ってみたい」。――いつも僕だけに向けて笑って 僕だけに涙流して――この日のライヴタイトルにふさわしく、独占欲にまみれた1曲で幕を開ける。

『お正月休みで声の出し方も頭のふり方も忘れたんじゃないですか!』と芥。「絶対存在証明証」「衝動的少女」と煽り倒し早々に会場のテンションに火をつけた。

そして『もっと見せてください 貴方の・・・』と「ひどいかお」、笑顔で演奏する中にも細やかな狂気さの滲み出る「ミツケタ」とChantyらしいあまのじゃくなラブソングを披露。

 

一変し、真っ赤な照明の中でメンバーが一心不乱に音を叩きつける「魔がさした」では、千歳の奏でるギターに芥がゆらゆらと不安定に声を紡ぐ様子が印象的だった。一見狂気の滲む楽曲ながら、誰もが経験したことのあるであろう可愛らしい罪悪感が題材。ライヴでは1曲単位で様々な表情を見せるChantyだからこそ、その1曲に込められたストーリーを背景にステージを見るのも楽しみの1つではないだろうか。そしてそのまま「ねたましい」へなだれ込むと、責め立てるようなナンバーたちが終了し、続いた「揺らめくあの日は万華鏡」は千歳の軽やかなギターが夏の夜のような少しの切なさを垣間見せる1曲。芥の優しく問いかけるような歌に、一気にここまでの緊張の糸がほどけていく。

 

その後アグレッシブに「滅菌、消毒、絆創膏。」が始まると、序盤で溜まったドロドロの感情を吐き出すように、会場からも『おい!おい!』と大きな声援が飛び、千歳がギターを肩に担ぎネックをフロアにむけ挑発する場面も。

「ポリシー」、「ねえ。」とさらに加速するステージ。必死に食らいつき遊びつくす目の前の光景に、芥も思わず『いい景色だなおまえたち!』と嬉しそうにこぼした。

そして『まだ吐き出せるか!』と切り込んだ「m.o.b.」は、鋭い演奏の中で光る芥のハイトーンの繊細さが楽曲をより攻撃的に駆り立てる。

 

そのまま芥がアコースティックギターを手に弾き語り始めた「綺麗事」から、「半透明」「奏色」と、再びピアニストを交え3曲披露。

冒頭から口数も少なく静と動を繰り返すステージに、気が付くと頭で追いつくのが精一杯になっていたようで、ここでようやく芥の放つ言葉の一言ひとことに気持ちが追いつき始める。

「奏色」は節目節目にずっと大事に歌ってきた楽曲のうちの一つ。その演奏終わり、フロア中に高く挙がった手を見て、『最低なことばっかりな毎日だけど、この景色を思い出して前に進んでいきます。また、また会えるようにすごい景色を作りましょう。』と芥。次に披露された「最低」は、“この曲があって良かった”そんな風にいつも救いを見出してくれる1曲だ。

『どくせんよく、めちゃくちゃ最高の景色ありがとう。いつもはバンドマンがいっぱいの楽屋を今日は独り占めして、なのに気まずくて気まずくてなぜか隅っこにいたりする我々Chantyですが、1月5日その声とその挙げた手とその意思をもってこの景色を作ることができました。この景色を忘れないように、また迎えに行きます。だから最後、この曲でもっともっと一つになりましょう。』と芥の言葉で最後を飾ったのは「フライト」。曲が始まると同時に湧き上がった割れんばかりの声援には、メンバーも思わず圧倒された様子。ここまでストイックに全17曲を駆け抜け本編は幕を閉じた。

 

アンコールではメンバー全員袴姿での登場。予想外の姿での登場にこの日イチの歓声が上がったものの、『早着替えだよ。パリコレみたいだったもん(笑)。』と千歳。短い時間での着替えを要されたため、楽屋裏では大慌てで準備が行われていたよう。全員の仕上げの結びは野中が担当していたなど、皆で協力し合っての早着替えとなったことを明かすと会場からは思わず拍手が巻き起こった。

 

お正月は過ぎてしまったものの、明けましておめでとうは直接言いたかったと千歳の言葉で、改めて『明けましておめでとうございます!』と挨拶。

その後は各々の家のお正月について、年賀状はどのくらい本気を出していたとか、好きなおせちの話などをいつものようにわちゃわちゃと繰り広げ、思った以上に個性豊かなメンバーのお正月に会場は驚きやら暖かい笑い声やらで終始和やかな空気に包まれた。

 

『そして今日ですよ。』と芥。この日はゲストでピアノ演奏が入っており、Chantyの楽曲たちを彩ってくれていたが、各々かなりお気に入りのようで野中は『全曲やって欲しかった。』と本音をこぼすほど。

 

『色んな巡り合わせでこの場所を選んでくれたんだと思うんです。今日こうやって出会えたことが後に繋がっていけるように歩んでいきたい。そんな出会ってくれてありがとう、という気持ちを込めて。』とアンコール1曲目は「交差点」。

芥がギターをかき鳴らしながら始まる「ゴーシュ」は皆でタオルを振り回すような爽快なギターロックサウンド。本編以上に歌の、音の一つひとつに集中させてくれる演出にさらに引き込まれていく。

『まだまだまだ行けるか名古屋―!踊ろうか!』と千歳の軽快なギターに合わせ右から左へとモッシュを繰り広げた「冤罪ブルース」。加速していくとともに袴が煩わしくなってきたのか、芥も思わず『動きづらい!』と吐き捨てた。それ以上に袖をうっとおしそうにギターを弾く千歳を見かねて、思わず男性スタッフが袖を捲りあげてあげる場面も。

 

続いていたずらっぽく始まった「赤いスカーフ

では、芥の『叫べギター!』の声で千歳の

激情的なギターソロが炸裂。

『さあ、お祈りの時間を始めましょう・・・』と「不機嫌」が始まると、会場は一心不乱に頭を振り乱し、激しさに実をつけていく。そんな様を受け、間奏中にも自身の言葉を吐き昂った感情をあらわにする芥。

勢いのまま感情を口にしたかと思うと、言葉を探すうちに迷子になってしまうほど。

『きっと綺麗事じゃない世界が音楽を通して作れると信じているから、最後、この4人から目印になるような歌を届けます。』

飾り気のない言葉から始まったラストは「世界に見捨てられてもきっと音は鳴りやまない」。

大きな安心を与えてくれるような包容力の満ち溢れた音楽というよりは、日々の中でのちょっとした不安や不甲斐なさを肯定してくれるような居心地の良さがあり、一人じゃないと実感させてくれる瞬間がたくさんある。そんな1曲で4人はこの日のライヴに幕を下ろした。

 

演奏を終え、ステージ前方に集まると芥はスタッフ陣やゲスト、様々なサポートをしてくれた名古屋の方々への感謝の想いを丁寧に述べ、最後は『本当に集まってくれた皆様ありがとうございます。』と改めてこの日この場所を選んでくれたファンへの感謝を口にした。

 

しんみり終わるのもChantyじゃないので。と、ワンマン公演ではお馴染みカーテンコーラー千歳の時間。新年にちなんで、この日は『あけおめ BAN!』で拳銃の構えでとのご指定が。この時間になると急に冴えてくる千歳の軽快な口上に会場も笑いに包まれながら、最後はこの掛け声とともに終演となった。

 

しかし、幕の下りた会場からは鳴りやまないアンコール。それに答えるように成人のカウントが始まると歓喜の声が上がり、『物分かり悪くていいな!』と芥。

もうちょっとやろうか、と急遽ダブルアンコールで「C」を披露。

そして、正真正銘のラストを飾ったのは「犬小屋より愛を込めて」。

――とにかく嫌いな嫌いな嫌いなこの場所にバイバイ・・・――

と歌う芥、ラストの歌詞の一部を『お別れはしないからな!』と自身の感情を乗せ歌い上げ、本当の本当にどくせんよく~名古屋編~が幕を閉じた。

独占したい、その気持ちをそのままライヴタイトルに持ってきた今回の公演。Chantyがあの空間を独占したのは間違いないし、あの場にいた1人ひとりの観客もまたステージに立つChantyを独占していたことも確かだ。

 

6年目を駆け抜けるChantyには、計り知れないほど色んな事があったし、それはきっとこれからも変わらない。誰の力でもどうにもできないことは世に溢れすぎているけれど、どうしてもいちいち悔しさや悲しみを覚えてしまうのは人ととして生きている特権だから仕方ない。

そんな不甲斐ない感情を否定せず、とことん落ちて一緒にとことんどうしようもなくなってくれる音楽がChantyだなと改めて思わせてくれたこの日の公演。

これからも変わらず続いていくChantyも、別の道を歩むと決めた千歳も、きっと大丈夫なんだろうなと漠然と感じることができた。

 

けれども、残された時間はきっとあっという間に過ぎてしまう。

今はChantyとしての4人と共有できる“奇跡”のような時間を、悔いのないよう精一杯噛み締めるとともに、これからの彼らが見据える先に一緒に歩き出したい、清々しくそんな風に思わせてくれる一日だった。

にに思わせてくれる1日だった。

 


 

 

Chanty 2nd LIVE DVD

「5th anniversary oneman 〜Chantyの世界へようこそ〜」

2019年1月30日発売

定価 ¥5,500 + 税

■収録曲

1.piano♯4

2.綺麗事

3.m.o.b.

4.ミスアンバランス

5.ソラヨミ

6.無限ループ

7.魔がさした

8.ダイアリー

9.優しいあなたへ

10.謳う心臓

11.-yureru-

12.奏色

13.インピーダンス

14.冤罪ブルース

15.不機嫌

16.冷たい手のひら

17.終わりの始まり

~EN~

1.赤い糸

2.【3.0.17】

3.最低

4.C

5.フライト

~EN2~

1.まっさかさまにおちていく

2.やんなっちゃう

3.おとなりさん

 

Chanty 2nd LIVE DVD「5th anniversary oneman 〜Chantyの世界へようこそ〜」M2.m.o.b URL

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